13日に今年の大会が終わりました。
組手のルールは暗中模索ですが、今回は強打でのポイントだけでなく軽くても連打が入り続けた場合、あるいは綺麗にかわしてのカウンターは技ありを取る方針にしました。軽量、非力な子でも技術で得点できるようにです。
しかしなかなか難しいもので、慎重になりすぎる子はお互いにグルグル回りあい手を出せずに終わってしまい、逆に防具をつけているから痛くないということに甘えた子はひたすら攻撃一辺倒になり、非常に大味な殴り合いになってしまう局面が多く見られました。
良い組手というのはドッヂボールではなくキャッチボールです。
いや、本当はドッヂボールも上手い子は、ただ逃げ回る、ただぶつけたがるのではなく、ゲームの流れや連携を見ているしパスを回します。全ての基本はキャッチボールにあります。それは、相手の意図を受け止める。それに応じて的確に投げ返すということです。
相手の意図に耳をふさいで怖がって閉じこもれば、何も出来ず逃げるだけの組手になります。
逆に自分の主張だけをしようとすれば防御の無い大味な殴り合いになります。
この二つは遠いようで本質的には同じで、どちらも相手とちゃんと向き合い対話をしようとしていない、ということです。
大会前の挨拶、そして大会後の言葉で木村塾長が、木村塾の空手は生涯学習であること、総合武術、護身であること、競技に重きを置いていないこと、必ずしも今日勝った子、負けた子が、空手の力量と比例はしないこと。そして何より、本当の空手の強さとは人の気持ちに寄り添えることだ、というお話をされました。
気持ちに寄り添う、相手の意図を汲んでその上で組み立てられた技術の応酬の組手は美しいもので、勝っても負けても得るものがあります。何よりそれはやっていて楽しいし、終わった後、笑顔になれるものです。
お互いがお互いのことをもっと知ろうとする、自分のことをこんなにもわかってくれる人がいる。言葉を使わずにもこんなに人は戦いを通して分かり合える。そこに組手の良さ、喜びがあると思います。
終わった後、勝ったほうが喜び、負けたほうがうなだれて帰るのではなく、駆け寄り合い、「君、どこの支部のなんて子?」「楽しかったね!」「また僕と戦ってよ!」そうしたやりとりが自然と生まれたとき、本当の意味での「木村塾の大会」になるのだと思います。それを目指してまた来年。
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